こんにちは、8です。
今回はOB訪問で大学生からよく質問をうける内容を記事化するシリーズ第2弾です。
大学生向けによくお話する内容をベースにしていますが、転職活動などにも活かせる内容となっていますので、参考にしてみていただければと思います。
目次
面接のゴールは企業にあなたの価値を認めさせること
就職活動における面接とは、企業から見たあなたの価値をプレゼンする場です。
学生はよく間違えやすいのですが、面接は「あなたの志望動機」を企業に伝えることが目的の場ではありません。
面接は「あなたの志望動機」を聞いた面接官がその「ストーリー」に納得し、「あなたを雇うことが会社にとって利益になる」と面接官に認識させることがゴールとなる提案の場です。
なぜストーリー形式で志望動機を語る必要があるのか
面接は超短期決戦!
就活での面接は短い場合は30分程度、長くても90分程度の時間が一般的かと思います。この最大90分という時間は、あなたという人間の性質や内面を初対面の面接官に十分に理解してもらうためには、あまりにも短い時間です。
90分以内に面接官をあなたのファンに変え「絶対に雇いたい!」と思わせるためには、あなたがいかに有能で職場にフィットし将来の会社の成長に不可欠な人材であるかを、具体的なエピソードも絡めたうえで説明する必要があります。これってかなりの情報量ですよね?
つまり、なんらかの方法で短時間に大量のメッセージを面接官にインプットする必要があります。これを実現するには、面接官の脳に負担が少なく、理解しやすいよう整理した状態でメッセージを届ける必要があります。
わかりやすい「形式」を使って語れば、脳に負担が少ない=納得させやすい
ストーリーとは、小説、戯曲、映画、漫画等の創作物における筋のこと。 プロットと区別される。
ストーリーとは物語を語るための形式の一つです。
人間はものごとを因果関係で語られると理解しやすい性質があるため、原因→結果(過去から未来へ)という順番で物語を聞くことで、複雑な事柄や経緯を理解しやすくなります。
人間がものごとを理解するのに、古くから慣れ親しんでいる形式である「ストーリー(時系列の情報)」であなたの志望動機や強みを語ることで、面接官は大量の情報をスムーズに処理し、「あなたを雇うべきである」という結果に最短距離で到達することが可能になります。
なので、志望動機を語るためのには「時系列に沿ったストーリー」を形式として選ぶのがオススメです。ただし、この形式で語るためには「時系列」の説明に必要な3つの要素「過去」「現在」「未来」を盛り込む必要があります。
面接におけるストーリーには、「過去」「現在」「未来」の3要素を盛り込む必要がある
あなたが語るべき志望動機やメッセージは時系列に沿った情報に整理されているのがベストです。
ここでいう「過去」「現在」「未来」の意味合いについてもう少し解説していきます。
面接で語るべき「過去」とは
あなた自身のモチベーションや好き嫌い、これまでの人生で何を大事にしてきたか? がここで言う「過去」になります。あなたがこれまで積み上げてきた判断や選択は、あなたが何を基準に生きどんな信念を持った人間かを表現する重要な要素です。
これが企業の掲げるミッションと矛盾していると、たとえ採用されても数年後にはやりたいこと/実現したいことと「業務」が乖離し、最終的には働くことがどんどん辛くなってしまいます。これはあなたと企業の双方にとって不幸なことですし、そもそも矛盾していると面接にも通らないことが多いです。
つまり面接では、あなたがビジネスにおいて大切にしたい価値観や想いが、企業の掲げる理念やミッション適合していると証明する必要があります。
面接で語るべき「現在」とは
次に、面接ではあなたのビジネススキルが企業にとって求められているものと現時点で既に合致していることを証明する必要があります。(企業=他者から見てあなたに価値があるかどうか、が重要です)
「ステークホルダーにとっての価値(現時点のスキルや市場比較におけるバリュー=現在の状態)」は今この瞬間におけるあなたと他の人材との比較で決まるため、現時点であなたが他者より優れたスキルを保有していることを証明する必要があります。
企業はあなたの過去(=内面)が企業のミッションと適合していることを確認した後、「いま雇うべき人材かどうか?」を吟味します。面接に合格するためには、「現時点で他の候補者より優れていて、いま会社が必要とするスキルを持っている人材だから、いますぐ雇うべきだ」と面接官に判断させる必要があります。
面接で語るべき「未来」とは
企業やビジネスの環境は常に変化し続けています。
変化に対応できなければ、売上は下がり、利益を生み出せなくなり、企業は消滅します。だからこそ、企業は常に未来を予測し、未来における変化に対応しようとしています。
企業があなたを雇用するのであれば、少なくとも数年先にもあなたがそこで働いている前提で雇用するはずです。つまり、あなたは何年か先の未来においても、継続的に企業に利益をもたらす存在である必要があります。(そうでなければ、たとえ現時点でのスキルが合格水準でも内定は頂けない、ということです)
面接に合格するためには、「社会からの要請(社会のあるべき未来の姿)」によって業界や企業がどのように変化していくかについて、あなたが自分なりの見解を話せるだけの予測ができている必要があります。
「現在」「過去」「未来」を順に語れば、それはそのままストーリーになる
面接での質問はざっくり言って以下の3タイプに収斂します。
- 過去:「あなたのモチベーションの源はなにか?(企業の理念やミッションと合致するか)」
- 現在:「あなたがいま企業に提供できる価値はなにか?(他の候補者ではなく、あなたをいますぐ雇用しなければならない理由があるか)」
- 未来:「将来のキャリア観が企業の将来像と合致しているか(数年後の未来において必要とされる人材か)」
さきほど解説した、面接で語るべき「過去」「現在」「未来」は上記の3タイプの質問にそれぞれ対応しているため、順番に語るだけで「企業があなたを何故雇うべきか?」という問いへの回答になり、また時系列に沿った情報のインプットが行えるため意図がスムーズに伝わります。
まとめ
- 就活の面接は、短時間に大量の情報を整理してプレゼンする場
- 面接官の頭脳に大量の情報を的確にインプットするためには、人間の脳に理解しやすいストーリー形式が適している
- ストーリーを語るためには時系列の情報が必要。具体的には「過去=あなたの人格」「現在=あなたの能力」「未来=あなたの理想」
- 面接の質問はそれら「過去」「現在」「未来」に分類できる。この3タイプに分けて整理しておけば返答に困らない
- 「過去」「現在」「未来」を順に語ると、それがそのままあなたを雇うべき理由のプレゼンになっている
誰にとっても再現性があり、順を追って取り組めば具体性のある形になるよう工夫しています。